宮本誠司行政書士事務所

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健康保険・厚生年金保険の加入手続き


 健康保険・厚生年金保険の適用事業所である事業主は正社員等を雇用するとその社員等について加入手続きをしなければなりません。対象の正社員等を「被保険者」といい、加入することを「資格取得」と呼んでいます。正式な書類名は「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 70歳以上被用者該当届」といいます。

 健康保険と厚生年金保険は同時加入が原則ですが、加入義務年齢は微妙に異なります。健康保険は適用事業所に雇用された日から75歳までが加入義務年齢です。75歳を超えると後期高齢者医療保険の被保険者となります。一方、厚生年金保険は雇用された日から70歳までが加入義務年齢です。よって、70歳を超え75歳の誕生日を迎える前の正社員等は健康保険のみの加入です、といいたいところですが、厚生年金保険にも届出をしなければならない場合があります。その人に以前厚生年金保険の被保険者期間があったときです。その場合、「70歳以上被用者」に該当し、届出をします。 

 


健康保険 厚生年金保険被保険者資格取得届の書き方の  注意事項


・「事業所整理番号/事業所番号」

  必ず記入する。

 

⑥「個人番号〔基礎年金番号〕」

  本人確認を行ったうえで、個人番号を記入する。

  基礎年金番号を記入する場合は、年金手帳等に記載されている10桁の番号を左詰めで記

 入する。

 

⑪「住所」

  ・個人番号を記入した場合は、住所記入は不要です。

  ・記入する場合は、住所は都道府県から漢字でアパート、マンション名を含めて正確に

   記入し、カナを振る。

 

 

☑ 加入時の年齢チェック

  年齢

健康保険

厚生年金保険
15歳以上40歳未満 

 ー

40歳以上60歳未満 介護保険料給与控除
60歳以上65歳未満 在職老齢年金注意
65歳以上70歳未満

 

介護保険料は年金から控除

 

 70歳以上75歳未満

加入しない

70歳以上被用者該当届

75歳以上 後期高齢者医療制度へ

①中学を卒業して就職する人もいると思いますが、未成年者にも加入義務があります。

②40歳から介護保険も加入となりますので、保険料が上がります。手続きは特になしです。

③早い人は60歳から年金受給が可能ですが、在職老齢年金に注意です。

④介護保険は第1号被保険者であるため、介護保険料の給与控除はなく、年金から控除されます。ほとんどの方が年金を受給されますので、在職老齢年金要注意です。

⑤厚生年金保険料の負担ありませんが、厚生年金保険には加入する場合としない場合があります。

⑥後期高齢者医療制度の扱いとなりますので健康保険の加入はなしです。厚生年金保険料の負担ありませんが、厚生年金保険には加入する場合があります。

 

☑ 被保険者資格取得手続きの概要

届書・申請書名

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

厚生年金保険 70歳以上被用者該当届

 添付書類

 被扶養者(異動)届

※扶養家族がいる方

提出期限 5日以内
提出者 事業主
提出先 事業所を管轄している年金事務所又は事務センター
 

・資格取得届にマイナンバーを記載することで住所の記載を省略

 できる。

・取得年月日から起算して届出が60日以上遅延した場合、賃金台帳

 および出勤簿の写しの添付が必要。

・国民健康保険組合加入者は「適用除外承認申請書」の添付が必要。

 事実の発生した日から14日以内に申請する。

・60歳以上の方が、退職後1日の間もなく再雇用された場合「就業

 規則の写し、退職辞令の写し、雇用契約書の写し、事業主の証明」

 などの添付が必要となる。

 (この場合、同時に同日付の資格喪失届の提出が必要)

・就業規則で一定期間の試用期間を定めている事業所も、この期間

 は、健康保険法、厚生年金保険法で規定している「臨時の雇用期

 間」には該当しないため、たとえこの期間が1ヶ月でも被保険者の

 要件を満たしている場合は、加入手続きを行わなければならない。

・外国人についても在留資格で就労が認められており、被保険者の要件を

 満たしている場合には,国籍に関係なく被保険者とする手続きを行

 わなければならない。

☑ 対象となる被保険者について

 健康保険・厚生年金保険の被保険者になるのは、法人の事業所や従業員5人以上の個人事業所に使用される常時使用の従業員や法人における常勤の役員となります。パートやアルバイトでも正社員(常時使用される従業員)の1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数と比較して4分の3以上であるときには被保険者となります。正社員の所定労働時間は事業所ごとにばらばらだと思うのですが、仮に正社員の1週間あたりの所定労働時間が36時間である事業所の場合は、1週間あたりの所定労働時間が27時間以上の短時間労働者が被保険者の対象となりますのでご注意下さい。

 さらに、特定事業所(常時500人を超える被保険者数の適用事業所)では、1週間の所定労働時間が20時間を超えるなど、一定の条件に該当する場合は、被保険者となります。今後特定事業所の範囲は拡大してゆくものと思われます。詳しくは下記の表をご参照ください。

 

強制(当然)適用事業所

1.法人事業所

・理事、監事、取締役、代表社員、無限責任社員等の代表者又は業務執行者で法人から労働の対償として報酬を受けている者(常勤の役員)

・常時使用の従業員(正社員)

・正社員の1週間の所定労働時間の4分の3以上、かつ、1ヶ月の所定労働日数の4分の3以上の契約社員、パート、アルバイト、代表の家族労働者等

 

2.従業員5人以上を使用している個人事業所

常時使用の従業員(正社員)

・個人事業主と専従者であってもその同居の親族は基本除く

・正社員の1週間の所定労働時間の4分の3以上、かつ、1ヶ月の所定労働日数の4分の3以上の契約社員、パート、アルバイト

 

任意適用事業所

1. 従業員が5人未満で厚生労働大臣の認可を受けた個人事業所

・常時使用の従業員(正社員)

・個人事業主と専従者であってもその同居の親族は基本除く

・正社員の1週間の所定労働時間の4分の3以上、かつ、1ヶ月の所定労働日数の4分の3以上の契約社員、パート、アルバイト

特定適用事業所 

 1.被保険者が500人を超えることが見込まれる事業所

・常時使用の従業員(正社員)

・正社員の1週間の所定労働時間数が4分の3以上、かつ、1ヶ月の所定労働日数の4分の3以上の契約社員、パート、アルバイト

・勤務時間・勤務日数が正社員の4分の3未満で、要件①~④のすべてに該当する者。

①週の所定労働時間が20時間以上である

②雇用期間が1年以上見込まれる

③賃金の月額8.8万円以上である

④学生でない

 

 ※「特定適用事業所」→・同一事業主(法人番号が同一)の適用事業所の被保険者数(短時間

             労働者を除き、共済組合員を含む)の合計が、1年で6ヶ月以上、

             500人を超えることが見込まれる事業所

            ・被保険者数が500人以下の適用事業所であって、労使合意に基

             づき申出をした適用事業所 

 

☑ 被保険者の適用除外

 健康保険・厚生年金保険の被保険者の加入義務については既述の通りですが、従業員の中には、正社員と同じような所定労働時間働きたいが、健康保険・厚生年金保険には加入したくない、といったケースがあるかもしれません。事業主にはそのような方に対しても健康保険・厚生年金保険のメリットを十分説明してほしいと思うのですが、例外的なケースには次のようなものもあります。ご参照ください。

 

健康保険・厚生年金保険に共通の適用除外例

① 臨時に使用される者で、日々雇い入れられる者

 ただし、その者が、1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至ったときは、その超えた日から、被保険者となります。

② 臨時に使用される者で、2月以内の期間を定めて使用される者

 ただし、その者が、所定期間を超えて引き続き使用されるに至ったときは、その超えた日から、被保険者となります。

③ 事業所で所在地が一定しないものに使用される者

 この場合、その者が、その事業所に長期にわたって使用されたとしても、被保険者となりません。

④ 季節的業務に使用される者

 ただし、その者が、当初から継続して4月を超えて使用される予定である場合は、その当初から被保険者となります。逆に、当初4月未満使用される予定であったが、業務の都合等により、たまたま継続して4月を超えて使用されるに至ったとしても、被保険者となりません。

⑤ 臨時的事業の事業所に使用される者

 ただし、その者が、当初から継続して6月を超えて使用される予定である場合は、その当初から被保険者となります。逆に、当初6月未満使用される予定であったのが、業務の都合等により、たまたま継続して6月を超えて使用されるに至ったとしても、被保険者になりません。 

健康保険のみの適用除外例

① 船員保険の強制被保険者

② 国民健康保険組合の事業所に使用される者

③ 後期高齢者医療の被保険者等

☑ 被保険者の資格の取得とは

 一般の被保険者は、次のいずれかに該当するに至った日から、被保険者の資格を取得します。事業主は5日以内に日本年金機構に届け出なければなりません。

 

資格取得の時期

1.適用事業所(強制適用事業所又は任意適用事業所)に使用されるに至ったとき

2.使用されている事業所が適用事業所になったとき

 従業員5人未満の個人事業所が従業員5人以上になったとき、が該当します 

3.適用除外に該当しなくなったとき

☑ 従業員ごとの保険料額の決め方について

 保険料額の考え方は、基本、各人の給与額×保険料率で保険料額が決まってくるのですが、一般的に各人の給与額は残業等によって毎月変動することが当たり前です。そうなると、保険料額も月によって大きく変動することになり、結果、毎月の給与額が大きく変動したり、保険料納付の資金繰りが大変だったりします。そこで、健康保険・厚生年金保険では、資格取得時に平均給与額を決めて、この平均給与額が最長一年継続するものとしています。資格取得時に平均給与額を決めることを「資格取得時決定」といい、平均給与額を「標準報酬月額」といいます。ちなみに労働者の給与のことを「賃金」といい、役員の給与のことを「役員報酬」といいますが、健康保険・厚生年金保険では、被保険者の対象が労働者と役員の両方であるため、給与のことは統一的に「報酬月額」といっています。

 

☑ 資格取得時決定

 日本年金機構は、被保険者の資格を取得等した者があるときは、被保険者資格取得届に記載の報酬月額を等級区分に当てはめることによって、標準報酬月額を決定します。報酬月額を記載するに当たっては次の表をご参照ください。次の表は健康保険法第42条に規定されているものですが、日給、時間給、出来高又は請負によって報酬が定められている場合の報酬月額の決定はかなり難しいです。規定の通りに考えてみてもなかなかしっくりいかないことが多々あります。決定された標準報酬月額が実際の報酬額とあまりにも乖離がある場合は、報酬月額訂正届を給与明細等の証拠書類と一緒に届け出ることもできます。 

 

報酬月額の算定

① 月、週その他一定期間によって報酬が定められている場合には、被保険者の資格を取得した日の現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額

② 日、時間、出来高又は請負によって報酬が定められている場合には、被保険者の資格を取得等した月前1月間に当該事業所で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額 

③ ①又は②によって算定することが困難であるものについては、被保険者の資格を取得等した月前1月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額
④ ①~③の2以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて、①~③によって算定した額の合算額

☑ 健康保険・厚生年金保険の保険料額表

☑ 健康保険・厚生年金保険の保険料額表の見方

 令和元年7月現在で最新のものが上記の表となります。

 まずご理解いただきたいのは健康保険料率は都道府県によって異なるということです。ご案内の表はけんぽ協会熊本支部のものとなります。厚生年金保険料率は全国一律です。

 タイトルは「平成31年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」とありますが、通常健康保険料は3月分(4月納付分)から変わります。今回、4月分(5月納付分)から、とあるのは子ども・子育て拠出金が4月分(5月納付分)から新設されたからです。子ども・子育て拠出金は事業主のみの負担で、厚生年金保険の標準報酬月額及び標準賞与額に拠出金率(0.34%)を乗じて得た額の総額となります。

厚生年金保険料率

保険料率は18.3%です。厚生年金基金に加入している方の厚生年金保険料率は、基金毎に定められている免除保険料率(2.4%~5.0%)を控除した率となります。

介護保険第2号被保険者

被保険者が40歳から64歳までであるときは介護保険第2号被保険者となり、健康保険料率(10.18%)に介護保険料率(1.73%)が加わり、11.91%となります。

報酬月額と標準報酬月額

給与額(報酬月額)が50,000円であるとき、標準報酬月額は58,000円の1等級となり、介護保険第2号被保険者に該当しない場合、健康保険料は標準報酬月額58,000円に10.18%を乗じて5,904.4円、厚生年金保険料は18.3%を乗じて16,104円が事業主と被保険者負担の全額となり、その半額(折半額)を事業主と被保険者でそれぞれ負担します。

賞与にかかる保険料額

賞与に係る保険料額は、賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた額が標準賞与額となり、標準賞与額に各保険料率を乗じた額が保険料額となります。標準賞与額の上限は、健康保険料は年間573万円(毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額)となり、厚生年金保険料と子ども・子育て拠出金の場合は月間150万円となります。

 

☑ 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の流れ

 電子申請で提出代行を行っている弊所での平均的なスケジュールです。

 

① 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届の対象となる被保険者の以前の医療保険が健康保険の被扶養者であった場合は、親御さんや配偶者など被保険者を通して被扶養届の削除をしてもらう必要があります。

② 事業所を管轄する年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を電子申請

③ ②の電子申請後、1週間程度で、弊所に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得確認および標準報酬決定通知書」がメールで通知されます。「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を伴う場合はもっと時間がかかります。

④ ③の二日程度のちに、「健康保険被保険者証 本人(被保険者)」が事業所宛に郵送されます。

⑤ ④の二日程度のちに、「健康保険被保険者証 家族(被扶養者)」が事業所宛に郵送されます。

⑥ 被保険者の以前の医療保険が国民健康保険であった場合は、国民健康保険を市町村へ新「健康保険被保険者証 本人(被保険者)」、新「健康保険被保険者証 家族(被扶養者)」、旧「国民健康保険被保険者証」を持参して、国民健康保険の喪失届を行います。

⑦ 基本的に、資格取得した月の翌月給与から健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料を控除します。

⑧ 基本的に、資格取得した月の翌月中頃「健康保険・厚生年金保険料 納入通知書」が事業所宛に郵送されてきますので、月末までに金融機関等で納付を行います。

⑨ 「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書」を提出していれば、資格取得した月の翌月末日に健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金は自動振替されます。

 

 なお、年金に関する手続きは基本的に必要ありません。

☑ 70歳以上被用者該当届手続きの概要

  70歳以上の人を雇用したとき

  70歳以上被用者該当届出を行わなければなりません。

  なお、厚生年金保険の被保険者ではないため、保険料の徴収はありません。

届書・申請書名

健康保険 厚生年金保険

被保険者資格取得届/70歳以上被用者該当届

提出期限 5日以内
提出者 事業主
提出先 事業所を管轄している年金事務所又は事務センター
制度の対象者

・70歳以上の人

・厚生年金保険法第27条に規定する適用事業所に使用される人で

 あって、かつ同法第12条各号に定める者に該当しない人

・過去に厚生年金保険の被保険者期間がある人

 

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⏰ 月~金 7:00~18:00

  土日相談可

〇保険料の算定・申告

人員(常勤役員と従業員)  社会保険  労働保険
算定基礎届 概算・確定申告
1~9人 20,000円  20,000円
10~19人 25,000円  25,000円
20~29人 30,000円  30,000円
30人~ 要相談  要相談

〇保険給付申請、各種届出、助成金申請

申請、届出 1件あたり報酬(税別)
社会保険、雇用保険 資格取得☆ 5,000円(扶養届あり8,000円)
社会保険、雇用保険 資格喪失☆ 5,000円(離職票あり8,000円)
雇用保険 育児休業給付申請 5,000円(初回申請10,000円)
労災・健保 給付申請(書面提出) 30,000円~
36協定等労使協定の作成、届出  10,000円~
助成金の申請

助成金受給額の15%(成功報酬)

助成金の種類により別途

セミナー、研修講師 30,000円~
相談

初回無料

日時をご予約の上、ご来所下さい。

☆顧問契約の場合 社会保険、雇用保険の資格取得・喪失の届出は月々の顧問契約料に含まれます。

〇就業規則作成

本則作成、届出 150,000円~
基本セット(本則、賃金規程、育児介護休業規程)、届出 200,000円~

その他諸規程(パート、契約社員、嘱託、退職金、出張旅費、

         マイカー・業務上車両管理、秘密保護、個人情報保護 ほか)

別途

お見積り

全体的な変更、見直し

100,000円~

別途 お見積り

部分的な変更、見直し 30,000円~
作成後の従業員説明会 30,000円~

※緊急の対応を要する場合は、一定額を加算させて頂きます。