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行政書士・社会保険労務士宮本事務所
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下記は国土交通省ホームページにアップされた資料から一部抜粋したものです。
未加入対策の対象となる社会保険は主に雇用保険、医療保険、年金保険です。
雇用保険は法人であれ個人であれ常用労働者を雇用した場合には加入義務が発生します。ただ、雇用保険料率は平成28年3月現在で賃金等に対し1.05%と低く、事業主の加入負担はそれほどではないかもしれません。
問題は医療保険と年金保険です。この二つはほとんどの場合同時加入が原則で、通常社会保険と呼んでいます。対象者が40歳以上の場合、介護保険も加入義務が発生するため、三つ合わせた社会保険料率は賃金等に対し14.749%となります。
事業所 形態 |
就労 形態 |
常用 労働者数 |
労働保険 | 社会保険 | |||
雇用保険 | 労災保険 | 医療保険 | 介護保険 | 年金保険 | |||
~65歳未 |
- |
~75歳未 | 40~65歳未 | ~70歳未 | |||
法人 |
常用 労働者 |
1人~
|
事業主負担 1.05% |
元請一括加入 (下請負担なし) |
けんぽ協会 事業主負担 5.045% |
けんぽ協会 事業主負担 0.79% |
厚生年金 事業主負担 8.914% |
役員等 | - | - | 特別加入 | ||||
個人 事業主 |
常用 労働者 |
5人~ |
事業主負担 1.05% |
元請一括加入 (下請負担なし) |
|||
1~4人 |
国民健康保険 事業主負担なし
|
国民年金 事業主負担 なし |
|||||
事業主 |
- | - | 特別加入 |
※保険料率は平成28年3月。医療・介護保険の保険料率はけんぽ協会熊本支部を適用。
皆様ご自身ですべての社会保険手続きを行うこと。
必ずしも難しいことではありません。
しかし・・・。
やはりここは社会保険手続きのプロである社会保険労務士に相談されることをお勧めします。なぜなら皆様にはこの機会に適正な労務管理を始めて欲しいからです。
さて、ここで建設業界における社会保険手続きと労務管理について皆様の理解度を確認してみましょう!
問1
くまモン建設会社は月曜から土曜までを労働日とし、休憩1時間を除く一日8時間を労働時間としている。一日8時間を超える労働時間に対しては1.25倍で計算した残業代を支給している。この会社の労務管理のどこに問題があるか?
問2
個人事業であるくまモン建設は下請専門である。家族以外の従業員を現場作業員として初めて雇用した。くまモン建設は労災保険に加入しなければならないか?
問3
雇用保険は全国一律なので当然保険料率も一律である。○か×か?
問4
雇用保険の加入義務は給与の額で決まる。○か×か?
問5
雇用保険料は会社と労働者が折半で負担している。○か×か?
問6
個人事業であるくまモン建設が法人成りして株式会社くまモン建設になった。その場合、当然雇用保険は個人事業くまモン建設の廃止、喪失手続きと株式会社くまモン建設での新規加入手続きが必要となる。○か×か?
問7
一般的に社会保険と言われている健康保険には扶養制度があるが、当然、扶養の数によって労働者や会社の負担する健康保険料の額は変わってくる。○か×か?
問8
健康保険と厚生年金保険は加入手続き以降、給与の額が変わらない限り、何の手続きもしなくていい。○か×か?
問9
18歳の正社員を雇用した。健康保険と雇用保険は加入義務があるが、厚生年金保険は20歳未満なので加入しなくてもいい。○か×か?
問10
72歳の正社員を雇用した。雇用保険、健康保険、厚生年金保険のすべてに加入義務がある。○か×か?
問1
熊本県の建設会社で土曜日が休日のところは少ないでしょう。また、労働基準法で1日の労働時間が8時間と決まっており、8時間以降の労働時間は1.25倍の割増賃金となることはよく知られているようです。ですから、この労務管理に問題がないと思われた方は結構多いように思います。実は労働基準法で決められている労働時間に関する規定には一日8時間のほかに、1週間当たり40時間以内という規定があるのです。1日8時間×6日=48時間となりますので、この設問では土曜日の労働時間すべてを1.25倍の割増賃金で計算しなければなりません。また、残業をさせる場合の大前提として労使協定の締結と労働基準監督署への届出が必要なことも是非ご記憶ください。
問2
労災保険に加入する必要はありません。
建設業は労災事故の多い業種だと思いますが、ほとんどの小規模建設会社は労災に入っていません。建設業は労災保険の世界では特別な扱いとなっており、元請会社が入っている労災保険で下請会社の労災事故もカバーすることになっています。ただし、下請専門の建設会社であっても元請工事を受注したときにはその工事がどんなに小規模であっても直ちに労災保険に加入しなければなりませんし、営業や事務などに携わる社員を一人でも雇用したときには労災保険に加入しなければなりません。なお、労災保険に加入するとは、労働保険を成立させ、その概算保険料を納付することをいいます。
問3
答えは×です。
雇用保険は国が実施している制度なので日本全国、保険料率は同じなのですが、業種によって料率が異なります。農林水産・清酒製造の事業、建設の事業、一般の事業、と三つのグループで料率が異なっています。因みに建設業は労働者負担、事業主負担合わせて、平成28年3月現在1.65%となっており、最も高い料率が適用されております。
問4
答えは×です。
パートさんなど雇用保険加入義務の判定は雇用契約期間と週当たり労働時間で判定します。1ヶ月を超える雇用契約期間で週当たり20時間以上働いてもらう場合に雇用保険への加入義務が発生します。なお、一人親方の方などとの契約は基本的に請負契約であって雇用契約ではありませんので、雇用保険加入の余地はありません。
問5
答えは×です。
健康保険や厚生年金等の社会保険は会社と労働者の折半で保険料を負担しますが、雇用保険では平成28年3月現在労働者負担が0.6%、会社負担が1.05%、と会社負担の方が大きくなっています。
問6
答えは×です。
個人事業主が法人成り後そのまま代表者になり、従業員もすべてそのまま引き継ぐような、事業所の実態があまり変わらない場合は、労働基準監督署と公共職業安定所に事業所等の名称変更届を行うことになります。社会保険の世界は基本的に事業所ですべて考えますので、建設業許可などとは扱いが異なります。
問7
答えは×です。
大変誤解が多いのですが、健康保険では扶養の数などで保険料が増減することはありません。保険料はあくまでも被保険者の給与額で変わります。なお、扶養に入るかどうかの判定は、被保険者と被扶養者の収入額、年齢、親族関係、同居の有無等で判定されます。
問8
答えは×です。
加入時に標準報酬月額といって、保険料の対象となる金額が決まりますが、その後、毎年7月に、4~6月に支払った給与を申告して、新しい標準報酬月額を決めることになります。給与額が変わらない場合も必要な手続きですのでご注意ください。
問9
答えは×です。
未成年者であっても厚生年金保険には加入しなければなりません。
問10
答えは×です。
健康保険にみ加入義務があります。雇用保険は65歳以上は加入できません。70歳以上は基本的に被保険者期間でないため厚生年金保険料は徴収しません。「厚生年金保険被用者該当・不該当届」を提出します。ちなみに60歳以上は年金を受給している可能性があるため給与額によっては年金が減額される場合があります。ご注意ください。健康保険には加入義務があります。ただし、75歳になると後期高齢医療制度へ移行されますので、健康保険は喪失となります。
いかがですか?
意外と目から鱗のことも多かったのではないでしょうか。社会保険に関する法律は原則のほか例外のオンパレードです。とりわけ、建設業は社会保険の世界でも特殊な扱いとなっていることが少なくありません。だから、近年、社会保険労務士に依頼する会社が増えているのではないでしょうか。
社会保険労務士の料金体系は継続的な顧問報酬契約と単発の手続報酬に分けられますが、基本的に宮本事務所では単発的な業務受託では社会保険労務士の職責を全うできないという趣旨から継続的な契約のみとなります。また、労働保険概算・確定保険料申告や健康保険・厚生年金保険標準報酬月額算定基礎届など定例的な手続きはすべて報酬に含まれます。
社会保険手続契約報酬表
人員(常勤役員と従業員) | 報酬月額(税別) |
1~4人 | 10,000円 |
5~9人 | 15,000円 |
10~19人 | 20,000円 |
20~29人 | 25,000円 |
30人~ | 要相談 |
宮本事務所では社会保険手続契約に給与計算を含めた包括契約をお勧めしています。包括契約のメリットとして残業代等の計算が正確である、保険料変更による控除額の計算が正確である、労働保険概算・確定保険料申告や健康保険・厚生年金保険標準報酬月額算定基礎届の際お客様に手間がかからない、助成金の申請がスムーズにいく、などがあります。是非ご検討ください。
包括契約報酬表
人員(常勤役員と従業員) | 報酬月額(税別) |
1~4人 | 20,000円 |
5~9人 | 30,000円 |
10~19人 | 40,000円 |
20~29人 | 50,000円 |
30人~ | 要相談 |
※賞与支給の月は別途一か月分加算されます。